秋田の酒物語 三人の杜氏の言霊 - こめたび〜秋田産地直送。自然栽培米、アイガモ農法天日干し米、いぶりがっこなどを産地直送でお届けします。

第3回  酵母が喜んでいるのか、悲しんでいるのか

和賀さきほど、「作り方が昔ながらだ」とおっしゃっていましたが、造りたい酒に狙いを定めるほど設備としては近代的な方がいいというのはありますか?
設備が新しい方が、思い通りのお酒を造れるとか。

森谷なりやすいというのはあるっすね。

そこが一番の問題で、設備的にはこうすればいいとかああすればいいとかわかるけど、ほんとに酵母とか麹菌がそれを喜んでるのか、悲しんでるのか、は全然わからない世界で、それを人のイメージで清潔な方がいいべなぐらいでやってることで、でねすかね?

和賀うーん!

森谷

森谷こうやってデジタルカメラ持ってるっすね。デジタルで、そのデジタル信号で撮ってるっすね。
カメラマンはい。
森谷たとえばフィルムのカメラ。
デジタルとアナログでどっちが優れてるとか遅れてるとかではなくて、その時点その時点でカメラならカメラの「最高のものを作ろう」とやってるわけですよ。
だからうちで50年前の米を洗う機械があるとか、搾る機械があるとか、その時点では最高のモノを職人さんたちは作り出して世の中に送ってる訳ですよ。それをすごいと思って使ってたわけですよ。
時代が流れてきて別の方式があるとか、ほとんどの場合はコスト計算に発するんですが、これやると大量に物を動かせるとか、そのあとが手がかからないとか、人件費の話になるんですよね。
でも機械の原理を見ると、昔のものはそんなに悪いもんではないんですよね。
シャッターがパチンと上がって、そのときに光が入って、またパチンと落として、出来た写真を見て、全員がデジタルカメラがいいとは言わねっすべ。

和賀んだんだ。
森谷フィルムで撮った昔のフィルム写真、モノクロ、濃淡とか、いまでいうダイナミックレンジ、そいうところに良さを感じるんであれば、単純に新製品=いい機械ではないということ。
だから未だに真空管のオーディオが、マニアにとってはヨダレが出るほど欲しいもの。わざわざスピーカーをビクターさんあたりは木で作ってみたり。
結局感じてるのは人間だから。

人は有機質だっすべ。無機質でいくら頑張っても限界があるんでねすか。

和賀
(続く)